クヌギの木の下に落ちていた昆虫たちの死骸 2001年 7月11日撮影 足利市 名草町
オオムラサキの撮影に足利市名草町の雑木林を訪れたが、あいにく止まっていなかったので、しばらく待っことにした。あたりを良く見るとオオムラサキの雄の紫色の翅がクヌギの木の下に散らばっているのが目に止まった。そのうち様々な昆虫の死骸があることに気づいた。カブトムシ、カナブンなどは、まだ食べられてから時間がたってないらしく、胴体のない頭だけが動いている。以前にもそのような光景は目撃したが、改めて、一つ一つ集めてみることにした。
これらを一体何物が襲ったのだろう?随想2「オオムラサキ散る」に書いてあるが、以前、ヒヨドリがオオムラサキを襲ったところを目撃したことがあった。またカラスがカブトムシを狙い、胴の部分だけ食べるのを目撃している。その他にも襲う鳥がいるかもしれないし、鳥の他にも何かいるかもしれない。 私の長女が小学4年生だった頃、夏休みの宿題で、「クヌギに集まる昆虫」・・というタイトルで研究をした事があった。「森のファミリーレストラン」・・・であるクヌギの木には多くの生き物が集まった。思い出すままに書いてみよう。 オオムラサキ、コムラサキ、ヒオドシチョウ、ゴマダラチョウ、スミナガシ、ヒカゲチョウ、 サトキマダラヒカゲ、クロヒカゲ、キタテハ、ルリタテハ、アカタテハ・・・ カブトムシ、ノコギリクワガタ、ミヤマクワガタ、コクワガタ、スジクワガタ、カナブン、 アオカナブン、クロカナブン、キマワリ、ミヤマカミキリ、ナガゴマフカミキリ、ヨツボシケシキスイ、ヨツボシオオキスイ、アカマダラコガネ、オオゾウムシ、オオナガコメツキ・・・ ベニシタバ、フクラスズメ、シロシタバ、キシタバ・・・ オオスズメバチ、ムラサキトビゲラ、ヤマトゴキブリ、ウシアブ・・・ その他、名前はわからないが、蚊や蝿・・そしてそれを狙う小さいカエル・・・ だいたい以上のような生物が訪れた。この研究はここまでで、更にこれらの生物を狙う、鳥など食物連鎖のより上位に位置する大物?には気がつかなかった。たった3平方メートルぐらいの範囲で、これら生物たちの壮絶な「生と死」のドラマが淡々と行われている事に驚きを隠せない。 もう一つ付け加えれば、採集と称して、人間が毎朝クワガタやカブトムシを採りに来たり、オオムラサキなどを採集する。ここでも人間が食物連鎖の最上位であることに変わりない!持ちかえって食べたりはしないが・・・・? 生物たちは、子孫を残すために存在していると同時に、そのほとんどが他の生物の餌にな なるために生きている・・・と言っても過言ではない。ヒヨドリにもカラスにも罪はない。 それよりも、開発で雑木林をなくしてしまう方が、これら、鳥などに食べられるより以上にダメージは大きく計り知れない。 2001年 7月 17日記 |